ジャンル:スポーツ医学系ドラマ、スポーツを続けるとバカになる
監督:ピーター・ランデズマン
主演:ウィル・スミス
見どころ
体をぶつけたり、相手に衝撃を与えることが普通のスポーツ競技は多いものです。
アメリンフットボールもそのうちの一つ。
本作は、そのアメリンフットボール競技に医学的見地から「問題あり」と異議を申し立てた医師の話です。
アメフトは互いの頭部をぶつけ合いますが、それが「慢性外傷性脳症」を引き起こしている、
という医科学的エビデンスを発見した医師がいました。
この映画は事実に基づいており、その時代は2005年。
カビ臭い時代ではなく、スポーツ医学やスポーツ安全が叫ばれて久しい現代が舞台です。
それなのに、なぜか主人公の医師オマル(ウィル・スミス)はアメフトの危険性を訴えることに苦労します。
理由は、その敵がアメリカの「スポーツビジネス」だからです。
アメリカはスポーツ医科学が発達した場所であると同時に、スポーツビジネスも盛んです。
利益があるスポーツ医科学はもてはやされますが、それを阻む医科学情報は抹殺しようとします。
アメリカのスポーツ界の闇を描いた、結構危ない映画なのです。
実際、アメリカにおいてアメフトは超人気スポーツで、いくつもの伝説や神話があります。
日本で言えば、「大相撲界に八百長がはびこっている」というテーマで映画を作るようなものです。
当然、「アメフト」や「大相撲」によって商売をしている人も多いわけですから、
こうした映画を快く思わないメディアや映画関係者も多いわけです。
スポーツビジネスは、ひとたび当たれば巨万の富を得られます。
日本でも、スポーツをコンテンツとしたビジネスを展開しようという動きがあります。
スポーツ選手も例外ではなく、自分の競技力をビジネスコンテンツにすることができれば、
一攫千金になるのですから必死です。
ちょっとやそっとの「危険性」は無視しようとします。
スポーツ界の「安全」と「商売」の間を考える映画としてオススメします。
名言
オマルさん、やめないと君が検死台の上に乗ることになるぞ。
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