ジャンル:薬学系SFドラマ、人類がいつか通る道
監督:ニール・バーガー
主演:ブラッドレイ・クーパー、ロバート・デ・ニーロ
見どころ
製薬会社が脳機能を活性化させる薬が開発し、
それをひょんなことから主人公モーラ(ブラッドレイ・クーパー)が手に入れます。
記憶力や認知能力といった脳機能を意図的に高める薬品が登場したら、人間はどのようになってしまうのか。
それをSFドラマとして描かれています。
後年、似たような物語としてスカーレット・ヨハンソン主演の「ルーシー」というフランスの映画もありました。
どちらも面白いので、脳機能向上ムービーとしてオススメします。
SFものとして捉えるのもいいですが、「薬を飲んだら身体機能が向上する」
という設定は現実になると問題・課題が出てくるものです。
スポーツ界のドーピングと同じですね。
薬を手に入れられる国や使用できる国とそうでない国とで、
人間(国民)の能力に差が出てきてしまう可能性があります。
もし副作用なし(または極めて軽微)で利用できるのであれば、
薬を製造・入手できる国や集団、人間が圧倒的に有利になります。
経済格差が広がる懸念もあるわけです。
その一方で、本作にも言える指摘なのですが、
「圧倒的な知能を手に入れた人間は、果たして経済的な豊かさを享受しようとするのか?」
という点があります。
手に入れようと思えば、いつでも「お金」が手に入るようになった時、
その人物は「お金」に執着するのか、甚だ疑問です。
実際、IQが高い人や頭がいい人が、必ずしも高所得者ではないことがそれを裏付けています。
高所得者になろうと思えばいつでもなれる。
そういう人にとって「お金」を手に入れる行為とは、
小学生相手にサッカーや野球で得点を取ろうとするプロ選手のようなものでしょう。
本作のラストは、この主人公が、本当の意味では知能が高まっていない可能性を示唆しています。
名言
感謝しろ。僕と働いていたら君は下僕になっていた。
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