Destiny 鎌倉ものがたり(2017年)

映画

ジャンル:民俗学系ドラマ
監督:山崎貴
主演:堺雅人、高畑充希

見どころ

日本の、特に鎌倉文化における民族・妖怪伝承をステージにしたミステリー仕立てのドラマです。
ストーリーそのものは万人受けを狙った、軽くてあっさりしたものですが、
随所に日本の民族伝承を意識した作りが見られます。

いわゆる「生まれ変わり」や「輪廻」の解釈がわかりやすく展開されていて、
なんとなく理解している、転生に対する日本人の捉え方を再確認できるのです。
日本文化や民俗学の授業を受ける上で、このような映画を見ておくと参考になります。

そもそも、この物語には悪人らしい悪人が出てきません。
そうした点も日本の「神様」や「妖怪」「化物(変化の物)」に対する独自の見方があります。

悪人らしいキャラクターもいるにはいるのですが、
実のところそれは、ある人物に対し「執着」しているだけです。
執着とは、仏教では忌み嫌われる感情と価値観。
あのキャラクターが、生まれ変わりや輪廻できない理由でもあります。
事実、その悪人らしいキャラクターは、
スタッフロールのラストで可愛らしさを見せてくれます。
スタッフロールも見逃せません。

生まれ変わりながら、代々受け継がれている流れを断ち切ろうとする者は、
ずっと同じ姿で執着し続ける者であるということ。

万物にはそれぞれ、運命と呼んでもいい自然な流れがあります。
その流れに身を任せることが生きるということ。
その流れを見つけることが人生なのかもしれません。

名言

貧乏神になって800年、こんなに優しくされたことはない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました