大学生は見ておくべき|就活参考ドラマ「わたし、定時で帰ります。」

就職活動

就活を控えている学生としては、世論の動向を注目しておきたいドラマ「わたし、定時で帰ります。」

ヒットしたドラマは、その時代の世相や移り変わりを反映しています。
今春のTBS火曜ドラマ「わたし、定時で帰ります。」もその一つになりそうです。

その世相や移り変わりとは、大学生にとっては「就職活動の売り手市場化」として表面化しています。
ブラック企業や働き方改革が話題となっている昨今、企業側としては、過酷な労働条件を社員に提示しにくい状態になってきているのです。

こういう「お仕事系ドラマ」のなかでも話題作となっているものは、たくみに世論を汲み取っています。
今後どのようなドラマ展開になっていくか期待したいところですが、その物語を世間がどのように受け取るのか? も注目しておきたいところです。
たとえば、その事例として以下のドラマがあります。

理想論で終わったドラマ「ハケンの品格」

かつて、篠原涼子主演のドラマ「ハケンの品格」というのがありました。
ハケンの品格(ウィキペディア)

放送されたのは2007年です。12年前ですね。
この時代、社会は「好きな時に好きな業務を自由に選んで活躍する」という働き方をクールだと思っていました。
正社員としてのシガラミに縛られず、自分が得意とするスキルで身を立てる。
冗談抜きで、そういう働き方が当時の理想だったのです。
今思えば、そんなことができる人間なんて1000人に1人いるかいないか。0.1%未満でしょう。

しかし、そういうファンタジーに取り憑かれた日本社会は、企業による「低賃金派遣労働」の推進を促しました。
その結果、正社員の賃金も派遣労働者に合わせて低くなってきたのが、この10年ほどの歴史です。
つまり、実力のある人間には高い報酬を与えるが、その他大勢は割を食う社会を作ってきたことになります。
簡単に言えば、「格差拡大社会」です。

その点、今回のドラマ「わたし、定時で帰ります。」はどのような展開になるのでしょうか。
定時で帰ることを奨励する社会になるのか。それとも、定時で帰る人間には、それ相応の自己責任を追わせる社会になるのか、注目です。

ムダな部署はカットすべきことを体現したドラマ「ショムニ」

「ハケンの品格」の世界観が成り立つためには、極一部の「高賃金派遣労働者」と、その後ろに大量の「低賃金派遣労働者」が必要であることを知らしめました。
そのドラマに先立つ約10年前、1998年に大ヒットしたお仕事系ドラマが「ショムニ」です。
ショムニ(ウィキペディア)

もう今の学生が見ることはないであろう大昔のドラマですが、めちゃくちゃヒットしたんです。
その物語の趣旨としては、ウィキペディアにあるように、

「会社の掃き溜め」と呼ばれる部署・総務部庶務二課所属の6人のOLの活躍を一話完結形式で描く。彼女らは自らの欲望に忠実に行動しているだけだが、それが結果的に会社にとって良い結果を生むあるいは救ってしまうというのが基本プロット。

ショムニ(ウィキペディア)

というように、まだ社員の一部が「今日も職場に行って時間を潰していればいい」と思っていた時代のなごりがあるドラマです。
仕事のできない社員をひとまず飼っておく場所、つまりムダな部署(庶務二課)を設置できていた時代の話なんですね。

1998年と言えば、日本が本格的にデフレ不況に突入した時期です。
徐々に「ムダな部署」への風当たりが強い時代にあって、「一見ムダなようで、実は価値がある」ということにファンタジーを見ていた頃のドラマなんですよ。

ですが、結局、庶務二課はムダな部署でした。
あれだけヒットしたドラマも、シリーズの最後は低視聴率にあえぎ、「ムダな部署はやっぱりカットすべき」という時代の洗礼を浴びることになったのです。

話を戻します。
では、大学生は今回のドラマ「わたし、定時で帰ります。」のどこを見ておけばいいのか?
それは、「定時で帰る」という人を見る周囲の反応です。
定時で帰る人を、社会人の多くがどのように受け止め、本音ではどのように思っているのか。
そこを分析することで、実際に自分が社会人になった時の行動指針になります。

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