アンタッチャブル(1987年)

映画

ジャンル:法学系サスペンス、警察系サスペンス
監督:ブライアン・デ・パルマ
主演:ケビン・コスナー、ショーン・コネリー、ロバート・デ・ニーロ

見どころ

見どころしかないから、とりあえず未見の学生は見ましょう。
「一流が集結すると、こんなのができちゃいました」を地で行く映画です。

監督は、話題作・問題作の多いブライアン・デ・パルマ。
その後シリーズ化されている「ミッション・インポッシブル」や、
「パッション」「キャリー」といった映画を撮ってきた監督。
そんな彼にとって本作は、満塁ホームラン級の映画と言えます。
なんと言っても、カメラワークが秀逸です。

主演はケビン・コスナーですが、その他の役者もすごいんです。
老練な警官役にショーン・コネリー。
腕利きガンマン警官役にアンディ・ガルシア。
マジメ一筋の経理マン役にチャールズ・マーティン・スミス。
これらの捜査官チームが「アンタッチャブル」と呼ばれます。

そして、敵役のアル・カポネ役にロバート・デ・ニーロ。
ロバート・デ・ニーロは、そのアル・カポネに似せるため、
自分の髪の毛を抜いてハゲ頭に見せる役作りをしたことで有名です。

音楽も、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ。
衣装は、あの有名ブランド「アルマーニ」のジョルジョ・アルマーニでした。

一流が集まっても駄作ができることがあります。
しかし、それらのピースがぴったりはまると、こうも素晴らしい作品ができるのです。

舞台は「禁酒法」が施行されたアメリカ・シカゴ。
アメリカでは、お酒を飲むことが禁じられた時代がありました。
その禁じられたお酒を裏で売買していたのが、暗黒街の帝王のアル・カポネです。
そういった歴史を知るだけでも有益だと思います。

映画の冒頭、エリオット・ネス(ケビン・コスナー)が突入した倉庫には、
カエデの葉のマークがついた荷物が積んであります。
これは、カナダ産のお酒を密輸していることの象徴です。

当時、アメリカ国内で隠れて生産することが難しかったので、
お隣のカナダやメキシコから密輸していたようです。
その密輸中継地点として、アル・カポネが牛耳るシカゴ市が有名でした。
シカゴ市は、ミシガン湖とヒューロン湖を通じてカナダとつながっています。
水路も密輸ルートの一つになっていたのでしょう。
本作の中ではトラックによる陸上ルートを取り押さえていました。

子供の頃には理解できなかったのですが、
シカゴに巣食う病理の一人が、あの警察署長なんですよね。
そして、マローン(ショーン・コネリー)はそれを知っているんです。
それと知った上で、それでも長年の友人として向き合っている。

警察署ビル裏でのジジイ同士の殴り合いは、
あの若者たちが、この腐った街シカゴを変えてくれるかもしれない。
悪行に手を染めているとは言え、同じ警察官であればそれがわかるだろう。
その僅かな希望を託したいという思いが伝わってきます。

名言

警官の心得第1条。毎日生きて家に帰る。

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