メッセージ(2016年)

映画

ジャンル:言語学系SF、ニュータイプは刻の涙を見る
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
主演:エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー

見どころ

原作はテッド・チャンの「あなたの人生の物語」。
このタイトルの時点でネタバレしているようなものです。

もしくは、機動戦士ガンダムのニュータイプが「時間を見る」とはどういうことか。
それが映画になっていると言えます。

ストーリーは、世界中に突如現れたUFOとのコンタクトを試みるというもの。

相手は宇宙人(ヘプタポッド)ですから、言葉が通じません。
そもそも言葉によるコミュニケーションの概念が、人間の認識と彼らとで違う可能性もあります。
それをどうやって克服していくのか?

主人公の一人、ルイーズ(エイミー・アダムス)は、言語学者の立場から、
もう一人の主人公、イアン(ジェレミー・レナー)は物理学者の立場から調査を始めます。
ヘプタポッドからのメッセージを解いていく様子が非常に興味深く、
未知のものを理解する醍醐味が描かれています。

この映画では、クライマックスで「言語学的なSF」としての大どんでん返しが待っています。

生き物は、言語によって対象を認識し、思考することができる。
日本人は日本語で考え、アメリカ人は英語で考え、ドイツ人はドイツ語で考えているのです。

ですから、日本語しか話せない人が、ドイツ文化や行動を真の意味で理解することはできません。
その文化や行動の基になっているのは、言語だからです。
逆に言語を理解できれば、彼らの文化や行動の意味するところも、本当の意味で理解できます。

ということは、ヘプタポッドの言語を理解することで、プタポッドの認識が備わる可能性があるのです。

ヘプタポッドは人間よりも高次の言語を使っていました。
それは「時間を物体のように見ることができる言語」だったのです。
つまりニュータイプです。

機動戦士ガンダムでは、
「人間は宇宙空間に出ることで、新しい認識能力を身に着けた。それがニュータイプ」
と説明されることがあります。

ニュータイプが「時間を見る」とはどういうことか、
時間を見ることができれば、「人は本当の意味で理解しあえる」とはどういうことか。
それを考えることができる映画です。

名言

思考は言語によって形作られるもの

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