イヴ・サンローラン(2014年)

映画

ジャンル:ファッション系伝記ドラマ
監督:ジャレル・レスペール
主演:ピエール・ニネ

見どころ

脚色はされているでしょうが、イヴ・サンローランを主役にした伝記ドラマです。
20世紀最大のファッション・デザイナーの一人、「イヴ・サンローラン」の素顔に迫る映画。
ファッションや芸術に興味がある人は必見です。

「天才は孤独で苦悩が多い」を地で行くドラマになっています。

ただ、この映画ではイヴ・サンローランが、
「孤独と苦悩の果てに成功をおさめる」
という描き方をしていません。

冒頭、イヴのパートナーであったピエール・ベルジェがこう言います。
「彼は美を追求した。審美眼や才能はどこからくるのか、誰も教えられない。生まれがどうであれ、天性のものなのだ」

その言葉の通り、この映画でイヴ・サンローランはひたすらファッション・デザインの仕事をします。
むしろ、その様子は添え物です。
彼は天才なので、普通に仕事をしていれば成功するのです。

それ故に、天才は孤独で苦悩が多いのです。
これはサクセスストーリーではありません。
あくまで、イヴ・サンローランという人間の姿を描いた映画なのです。

映画のラスト。
ただデザインをして、ファッション・ショーを切り盛りし、
拍手喝采の成功を収める姿が淡々と描かれます。
しかしその姿は、映画を見ている私たちを悲痛な思いに駆らせるのです。

彼が当たり前のように見せる非凡さの背後には、
天才であるが故の苦しみがあることを、
ここまで見てきた我々は知っています。

そして終劇。
イヴ・サンローランとは、こういう生き方をした男だった。
彼はファッション・デザインをするために生まれてきて、
そして死んだ人なのです。

名言

審美眼や才能はどこからくるのか、誰も教えられない。生まれがどうであれ、天性のものなのだ。

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