前回の記事として、
大学生におすすめする期末試験・テスト対策|どうして動画を撮らないの? 最近の学生は要領が悪い?
というのを書いたんですけど、その中の「授業を動画撮影してテスト対策にしよう」は、
もっと発展する可能性をもっているので深く掘り下げてみます。
すでに授業を動画撮影・記録してネットにアーカイブしている学生たちがいる
テスト対策として授業を録画しておき、レポートやテストのためにその動画を見直す。
というのは、すでに一部の学生がやっています。
かつては動画共有や閲覧の手間があったのですが、ユーチューブへのアップロードが高速化し、その閲覧もシークバーを使えばストレスなく簡単に見れるようになりました。
かつてなら、お金がない学生が何ギガもする莫大な動画データを気軽に保存しておくことは不可能でした。
しかし、現在は無料で容易に扱うことができます。
ユーチューブであればライブ配信で撮影しておき、そのままアーカイブさせることができます。
YouTube Liveのライブ動画を保存する方法
この分野は、アクションカメラの楽しみ方が隆盛してきた昨今、どんどん便利になるでしょう。
もちろん、授業の撮影は教員の許可をとる必要があり、学生本人の学習のためにのみ利用することが前提です。
授業自体は、その先生の著作物だからです。
大学授業を録画して SNSにアップしたら罪になるの?
つまり、授業を録画すること、それを閲覧することには大きな制限があり、仮にユーチューブにアップロードしたとしても、「限定公開」にして、「公開」しないことが重要になります。
しかし、教員の許可を得て、むしろ「教員公認」として録画・限定公開することができれば、非常に面白い取り組みができるのです。
これからの大学生の可能性が広がりますし、もっと言えば、授業を受ける楽しみが増えます。
限定公開を絶対的ルールとして守り、その授業を履修している学生たち皆の利益になる、動画共有サイトを運営する
ここで提案していることは、これからの大学授業の在り方を変えるかもしれないことです。
もし本気で君が取り組んでくれたら、その領域の先駆け的な存在として伝説になれます。
私も授業をやっていてかねがね感じていることですが、「毎回の授業を動画撮影して、どこかにアップロードしておけばいいのに」というものです。
しかし、授業をやる側(教員)にとっては、そこまで手が回らないのが実際のところ。
極一部の教員はそれをやっていますが、ある程度の動画撮影&ウェブサイトへのアップロードのスキルがないと難しいんです。
それを学生がやってくれるなら、こんなに嬉しいことはない。
もちろん、今はまだ「授業の録画」を嫌がる教員もいくらかいるでしょう。
しかし、学生を前にして行っている授業を、「録画」することを嫌がるというのは妙な話です。
あくまで「授業を深く理解するため」という目的と理由であれば、それは実現されて然りです。
もっと言えば、障害を有する学生への配慮という意味でも、この取り組みには意義があります。
実際にはこんな感じになるはずです。
例えば、ほとんどの授業は黒板やホワイトボードへの板書、およびパワーポイントを映写することにより展開していきます。
その講義の様子を、可能な限り「板書・スライド」「音声」「教員の身振り手振り」が同時に入るように録画します。固定カメラにした方が、撮影者が楽です。
イメージとしては以下のようなもの。
ですから、撮影する学生は席取り・ポジショニングが大事になります。
それを動画サイト(ユーチューブが一般的か?)にアップします。
ユーチューブであれば、「再生リスト」の機能を使えば、授業ごとに整理してまとめることができますよね。
一人で全部やる必要はありません。
自分自身も授業を受けているのですから、負担が大きくならないようにします。
何人かの仲間でチームを結成し、協力しましょう。
そして、「◯◯先生公認・□□論チャンネル」とか、「◯◯大学□□学科の講義チャンネル」といったウェブサイトをつくり、希望する履修者にアカウントやURLを配布してみてはどうでしょうか。
君たちは授業の録画・アップロード作業を担う代わりに、URL希望者から昼飯代とかジュース、レポート作成の手伝いといった報酬を受けるのです。もちろん、無償でも良いのですが。
というわけで、誰も損しません。極めて積極的な学習活動です。
さらに野心的な話をすれば、なんだかんだで「人気のある授業」「ピンポイントで聞きたい授業の回」「もう一度見てみたいシーン」「抽選に落ちてしまった授業」というのはあります。
それを録画して希望する学生に見せることは、褒められることはあっても怒られることではないと私は思います。
そうやっているうちに、もしかすると大学から栄誉ある扱いをうけるかもしれません。
でも、今はまだそういう学生がいないだけです。
この活動が学生だけでなく、大学にとっても魅力的な理由
この際、本音で語りましょう。
「寝坊したから先生の授業が聞けなかった。残念」
という気持ちで授業を受けている学生は少数です。
ほとんどの場合、「欠席扱い」になることが嫌なのです。
ですから私は、将来的に大学は「授業自体はいつでも自由に聞ける」状態を目指すべきだと思います。
その方が学生のためにもなります。
そうすれば、先生たちも「学生を教室に行かせて受講させる」ことの価値を考えるようになるからです。
今は、「欠席したら減点になる」ということを脅迫材料にして出席させています。
しかし、これは本来ならおかしいことです。
もし「授業を動画でいつでも見れる」ようになれば、ただ席に座って聞くだけでいい授業は、出席しなくてもいいじゃないか、という人が増えるでしょう。
これを、「動画で見ているだけだと不満足。ぜひ出席したい!」と思わせてこそ、大学授業の質の向上につながるのです。
それは大学にとっても魅力的な提案になります。
授業が酷い教員には、ひたすら教科書を読み上げるだけの「スピーカー」もいます。
しかし、こういう教員に限って「出席態度」を重視しているので休むことができません。
大学当局がこういう教員に「もっと授業に工夫をこらしてください」と言っても、「授業は修行だ」「席に座って話を聞くことが大事」などと言い訳をして逃げます。
学生が率先して動けば、「大学は、あらゆる授業を動画で公開する」という未来に近づきます。
それは教員に及び腰な大学の尻を叩くことになるのです。
この活動の将来像
授業撮影のスキル。
学生にとって嬉しい動画とは何か。
この活動に慣れてくれば、そういうノウハウが蓄積されます。
もしかすると、あと数年もすれば大学が常駐の動画撮影チームを結成したいと考えるようになるかもしれません。
その時、君たちが培ったノウハウは、大学がぜひとも欲しいものになっています。
つまり、就職口の一つとして検討できる時代もくるかもしれません。
なので、適当にやらず、クオリティを上げることにも注力しておくといいでしょう。
その分野の黎明期に学生の立場から活動をしていて、そのあとすぐに専門的な大学職員として就職したケースは過去にたくさんあります。
古くは、スポーツが得意な学生が、そのまま体育教員やスポーツ施設員になったり、
ちょっと前なら、パソコン・マニアの学生が、そのまま情報・メディアセンターの職員になったり。
別に、就職活動の一環として野心を燃やせとは言いません。
大学での学びを、より質の高いものにしていくことに「楽しみ」を見出だせれば最高じゃないですか。
大事なのは、あくまでも「その大学にいて、その大学の授業を受けられる学生の利益となる活動」です。
現時点で「授業を録画・公開」している大学もあるのですが、それらは内部の学生に利益がある活動ではなく、自分とこの大学の良いとこだけを外部にアピールして、ドヤ顔したいだけの活動です。例えばこんなの。
自宅にいながら、大学の講義を視聴。日本語で観れる12の講座動画サイト
お気づきかもしれませんが、大人たちはすぐ「グローバル」とか「全国展開」「学外・地域に開放」といったキーワードを多用し、肝心の内部にいる君たち学生を放ったらかしにします。
結論として、彼らには期待できません。皆さんが想像している以上に幼稚です。
君たち学生がなんとかしましょう。
もっと面白そうな活動がある、という人はコメント欄に書き込んでください。
友達と相談して、思い切って活動してみましょう。
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